明るい未来を実現する持続可能なエネルギーソリューションを提供
Vestasは、持続可能なエネルギーソリューションに関してエネルギー業界とグローバルに連携している企業で、世界中で陸上と洋上の風力発電機の設計、製造、納入、運用に携わっています。これまでに世界88カ国で160GW(ギガワット)以上の風力発電機を納入し、業界トップの納入実績を誇ります。
Vestasは、業界屈指のスマートデータ機能と、140GW以上という突出した風力発電機のサービスを通じて、風力の分析、予測、活用にデータを活用し、トップクラスの風力発電ソリューションを提供しています。Vestasの2万9000人以上の従業員は、顧客と力を合わせて、明るい未来を実現する持続可能なエネルギーソリューションを世界に送り出しています。
業界 製造
地域 ヨーロッパ
使用事例 柔軟なアーキテクチャ
導入時期 2019年
ハイブリッドクラウドへのモダナイズを機にAPIゲートウェイの評価を開始
VestasでアプリケーションとAPIプラットフォームの責任者を務めるBo Linddahl Rasmussen氏は、社内のステークホルダーで構成されるさまざまなチームを強化する方法を模索していました。社内には、開発、データ、現場技術者、電力ソリューションなどのチームがあります。
Rasmussen氏のチームにはAPI管理の経験はあったものの、使用するツールやプラットフォームはオンプレミス専用かクラウド専用のどちらかのユースケースに特化していました。Vestasの社内では、オンプレミスとクラウドを併用してアプリケーションを稼働させるハイブリッドのユースケースを取り入れるチームが増えていました。
そこでAPIプラットフォームチームは、ハイブリッドアーキテクチャで求められる新たな要件を満たせるよう、柔軟性のあるモダンなAPI(English)管理ソリューションの選定に着手しました。
Kongはアーキテクチャの柔軟性が抜群
Rasmussen氏は言います。「我々の優先事項は、柔軟かつ軽量なエンタープライズクラスのAPI管理プラットフォームを基盤として利用することでした。マルチクラウドやハイブリッドのユースケースに対応し、メンテナンスコストを削減できるプラットフォームを必要としていました」。Vestasが導入したKong Enterpriseはまさにそのニーズを満たす製品で、クラウドでもオンプレミスでも、あらゆるアーキテクチャにAPIゲートウェイをデプロイできます。VestasのAPIプラットフォームチームは多種多様なユースケースを扱うことから、あらゆるアーキテクチャへの対応が不可欠でした。
Vestasの統合アーキテクトであるAnuj Pandey氏は言います。「我々のチームは、KongのAPIゲートウェイが、マルチクラウド、ハイブリッド、オンプレミスなどさまざまな環境をサポートしていることを把握しました。特に気に入ったのは、Kongは設定データベースが1つで済むことです。柔軟性が大きく高まります」
「Kongは軽量なAPIゲートウェイで、インストール、運用、保守がとても簡単です。アプリケーションのモダナイズを進めていくなかで、この点は重要でした」
Vestasは、ニーズを満たすハイブリッドクラウドのモデルをKongで実現しました。Kongを利用して階層型のシステムを構築し、クラウドに配置したゲートウェイからオンプレミスのゲートウェイにルーティングを行っています。
「オンプレミス、クラウド、Kubernetesの間で設定を同期しています。Kongなら、モダンアーキテクチャの要件を満たしつつ、レガシー環境もサポートできます」(Pandey氏)
成果Kubernetesにネイティブ対応しているKongのゲートウェイをデータのプロビジョニングに活用
データ中心の企業としてAPIの数を100以上に増やしてきたVestasは、データレイテンシの短縮とコンプライアンス強化のための策を検討しました。そして、KongとKubernetesとのネイティブな連携を活用し、各APIに隣接してKongをデプロイすることによって、APIトラフィックのパフォーマンスとレジリエンスをいっそう強化できました。
「我々が求めていたのは、APIを保護してスケーラブルなプラットフォームを実現できるAPIゲートウェイです。我々には大規模なデータセットの蓄積が数多くあり、そのデータセットを分析して、風力発電機の購入を検討するお客様が行う風力発電所の設計を支援していました。一方で我々のチームは、Kubernetesなどのモダンアーキテクチャのデータへのアクセス手段を改良する方法を模索していました。堅牢かつセキュアでスケーラブルなAPIプラットフォームを実現するうえで、Kongは完璧な選択肢でした」(Rasmussen氏)
Vestasは、データサイロの多くを解消するとともに、必要なデータを必要なタイミングで取得する能力を強化しました。
「KongのようなエンタープライズクラスのAPI管理プラットフォームを導入する主な理由の1つは、統合APIという形で組織全体がデータやプロセスにアクセス可能になることです。Kongによってデータアクセスのハードルが大きく下がりました」(Pandey氏)
社内のAPIトランザクションの監視と追跡に標準機能で対応
VestasはKongの導入で、認証機能を強化するとともに、社内全体の連携箇所を詳しく可視化できるようになりました。
「Kong Enterpriseが標準で提供しているJWTやOpenID Connectなどの認証用のプラグインを活用し、また監視も取り入れています。Kongを通じて、個々のAPIに対する可視性と透明性を確保しています。APIトランザクションに関する情報の把握が強化され、追跡もしやすくなったことから、社内全体のAPIの使用状況を詳細に理解できるようになり、パフォーマンスのさらなる最適化を図ることができます」(Pandey氏)
顧客企業やパートナーとの関係性をAPIで変革
Vestasは今後を見据えて、チームの効率、レジリエンス、アジリティの改善にAPIを活用できる余地がないか、検討を続けています。その一環として、社内外にAPIを公開できるよう、カスタムAPIカタログを作成する予定です。
「次の取り組みとして、Kongを活用してカスタムAPIカタログをさらに発展させることを計画しています。外部のお客様はログインのうえで購入済みAPIを参照し、APIキーを使用してAPIプロダクトにアクセスしたり、アプリケーションを自ら開発したりできるようになります」(Pandey氏)
Vestasは、顧客企業やパートナー企業との関係性を変革するという面でも、KongとAPIの活用に可能性を感じています。
「当社は価値あるデータを大量に保持しており、社内の開発者やアプリケーションのチームに公開しています。ゆくゆくは、このデータを外部のお客様も利用できるようにする構想です」(Rasmussen氏)
「世界中で何千基もの風力発電機が稼働するなかで、いつかKongをエッジにデプロイするという展望もあります。Kongは非常に軽量で、風力発電機上でも動かせることから、将来的にはセンサーを使った測定機能やデータ収集機能をさらに拡大できる可能性があります」(同)
「Kongはハイブリッドやマルチクラウドのユースケースに対応するには理想的な選択肢です。分離アーキテクチャを的確に運用できます」(同)