Cargill、環境を統合したAPIプラットフォームを構築するためにKongを採用

世界をリードする農業ビジネス企業が、KongとAWSでAPIを創造し最適化

飢餓に苦しむ世界のための持続可能性を重視したサプライチェーン管理

Cargill社は150年以上にわたり、安全で責任ある持続可能な方法で世界に食糧を供給するという使命を掲げてきました。 ミネソタ州ミネアポリスに本社を置くCargil社は、広範なサプライチェーンの経験と新しいテクノロジーやインサイトを組み合わせ、125カ国を超える国々で、食品、農業、金融、工業の顧客に信頼されるパートナーとしてサービスを提供しています。今日、事業を展開する最大規模の民間企業の1つであるCargill社は、世界中で15万人を超える従業員を擁し、世界の食糧供給の33パーセントを超える物流を扱っています。

業界 製造

地域 北米

使用事例 集中管理された認証と承認

導入時期 2018年

65倍
検証を自動化する事により、デプロイメントが最大65倍高速化
450以上
過去6か月間に新たに作成されたデジタルサービス
オートスケール
需要に応じて自動的にスケールアップ/スケールダウンするダイナミックなインフラストラクチャ
課題

イノベーションを可能にするAPIファーストのアーキテクチャの構築

業界のリーダーとして、Cargill社は常に、迅速なイノベーションを実現することが競争優位性を維持するために不可欠であることを認識していました。しかし、Cargill社のレガシーITシステムは、顧客やパートナーの進化するニーズに対応する新しいデジタル製品やサービスの開発能力を低下させていました。

これらの新たなデジタルの要請に応えて、Cargill社は社内APIスイートをよりダイナミックなものに変革し、全社的な利用を可能にするプロセスを開始しました。

「私たちは、アジャイル、DevOps、CI/CDをあらゆる活動の中心に据え、製品やサービスの構築に新たな手法を取り入れるためには、新しいツールが必要であることに気づきました」と、カーギル社のシニア・エンタープライズ・アーキテクトであるJason Walker氏は語ります。「当社は150年にわたる事業から得た豊富なデータを持っていますが、社員が簡単にアクセスし、当社のステークホルダーの体験を向上させるためにそれを利用できるシンプルな方法が必要でした。APIファーストのマイクロサービスアーキテクチャを構築することで、それらのデータやリソースへのアクセスを同時に提供し、デプロイメントに関する懸念を開発者のワークフローから取り除くことができると私たちは考えました。」

ソリューション

Kongによる実用的なデジタルトランスフォーメーション
ステークホルダーにより多くのデジタル体験を提供することを目標に、Walker氏と彼のチームは、アジリティを高め、サイロ化されたレガシーITアーキテクチャからモダンなマイクロサービスアーキテクチャへの移行を目的とした3段階の計画を立てました。

これを達成するために、Walker氏のチームは、集中管理型および分散管理型のデプロイメントで同様に機能する高性能なAPIプラットフォームとの提携を希望しました。

「まずプラットフォームを集中化して一貫性を確保し、その後分散化して規模を最大化したいと考えていましたが、検討したレガシーAPI管理ベンダーは、当社の分散化に関するビジョンと一致しませんでした」とWalker氏は語ります。「Kongは軽量かつ高速で、エッジ環境、Kubernetes、またはメッシュ環境でも動作可能です。これは、私たちのビジョンに完全に一致します。Kongとともに、私たちは高性能なクラウドネイティブ・マイクロサービスをデプロイするために必要な低遅延を実現し、すべてのシステムにシームレスに統合できる柔軟性を得ることができます。」

Cargillのチームは、単なるベンダーではなく、この新しいアーキテクチャのビジョンを構築するパートナーを探していました。

「最初から、私たちは顧客ではなくパートナーであると感じていました。Kongのカスタマーサクセスエンジニアは素晴らしい人たちで、製品を開発したエンジニアとオンラインやカンファレンスで常に話し合うことができました。そのため、本物のコミュニティであると感じることができました」と、リードAPIエンジニアのColin Schaub氏は語ります。

優れたパフォーマンスと柔軟性に加え、KongによってCargillは非常に複雑なアーキテクチャ全体にわたる管理と監視をシンプルにすることができました。 Kongのすぐに使える管理ツールとオープンソースのエコシステムは、APIのライフサイクル全体にわたる管理をシンプルにする強力な機能を提供します。

「Cargillが取り扱う規模と複雑さを考えると、すべてのテクノロジーパートナーが可能な限り最大の価値を提供することが不可欠です。」と、カーギルのリード API エンジニアであるColin Schaub氏は語ります。「Kong が提供するツールはプラットフォームの管理を容易にしてくれますし、コミュニティエコシステムは新しいプラグインの追加に最適です。おかげでより多くのサービスをより迅速に市場に投入でき、また、運用開始後の管理も容易になりました。」

成果

Kongによる統一された開発者体験の構築
スケーラブルで標準化された開発者体験の構築は、APIを中心に考えたハイブリッドアーキテクチャというCargillのビジョンにおける基盤となる要素でした。 社内外の何千もの開発者が世界中で同社のサービスを利用しているため、一貫した標準を確保することはガバナンスを確保する上で最も重要でした。Cargillにとって、APIプラットフォームが障壁を最小限に抑え、サービスの共有を可能にする一貫した体験を提供することは不可欠でした。

「私たちは、スケールに対応できるように構築し、開発したサービスを会社全体で再利用できるようにすることを重視しました。単発で対応するのではなく、持続的に活用できる仕組みを作りたかったのです。」 とWaker氏は語った。「再利用可能な機能には、唯一の信頼できる情報源が必要です。Kongは、当社のサービスを利用するすべての構成要素で一貫性を確保します。Kongを使用することで、標準化、セキュリティ、コンプライアンスを確保したプラットフォームをすぐに提供できるようになります。」

KongとKubernetesでオンデマンドのスケーラビリティを実現
Walker氏のチームのビジョンの第2段階は、動的なスケーラビリティを促進するためにプラットフォームを分散化することでした。主要な要素はクラウドネイティブのデザインパターンを活用することであり、Cargillチームが需要に応じて簡単にスケールアップやスケールダウンを可能にする上で、KongのネイティブなKubernetesサポートは重要な要素でした。

「レガシーアプリケーションをマイクロサービスに切り離して、新しいサービスを追加し、作成しているため、インフラを手動で管理することはほぼ不可能です。Kubernetesと併用することで、Kongによって分散化を実現することができました。」とWalker氏は語りました。「KongとKubernetesにより、サービスをどのように動作させたいかを定義し、状況に応じてサービスを自動的にスケールアップまたはスケールダウンできるようになりました。この2つを組み合わせることで、リソースの効率性、耐障害性、サービスの可用性をすべて1つの自動化ソリューションで最適化できるようになりました」

Cargillは、すべてのクラウドデプロイメントにAWS EKS/Kubernetesを使用しています。「このシステムは、KubernetesのClusterIPタイプを使用してパイプライン経由でKongをデプロイしますが、外部からKongへのイングレス通信を許可し、Kongが受信したリクエストをアップストリームのAPIに仲介します。」アップストリームはKubernetesサービスとしてKong内で定義されるため、Kongは各アップストリームの単一のサービス名のみを認識するだけで済みます。

スタック内のすべてはAWSによって管理されます。EKS、RDS、Route 53などです。APIチームは、DynamoDB、MySQL、SQSなど、希望するAWSの機能を使用できます。また、Kongの大部分のアクティビティはKubernetesによって管理されます。

Cargillのアーキテクチャの未来を構築
CargillがKongを選択した主な理由は、Kongが構築しようとしているビジョンに対する信頼からでした。

「私たちが選択したAPIプラットフォームは、今すぐにでも素早い対応が可能であると同時に、私たちが目指す場所へも導いてくれるものでなければなりませんでした」とWalker氏は語ります。「Kongが描くソフトウェアアーキテクチャの世界が向かう先は、Cargillの考えと一致しています。」

Kongは、私たちが日々直面する技術の変化を常に先取りし、ソフトウェアの未来を見据えたプラットフォームを構築しています。そして、その実現に必要なツールを提供してくれます。

Jason Walker

シニア・エンタープライズ・アーキテクト